顕微鏡写真撮影~焦点深度合成(EDF ; Extended Depth of Focus)について

 

最近は顕微鏡での写真撮影が簡単になってきました。
当店で扱っているAmScopeのカメラには、写真撮影、動画撮影、画像処理などの多機能アプリケーションが付属しています。今回はこのアプリを使って、EDF(Extended Depth of Focus)=焦点深度合成 を行った例をご紹介します。

まずは下の写真をご覧ください。これは、カミキリムシ(標本)をマクロレンズで撮影したものです。まず、①~⑫のように、ピント位置を少しずつずらして撮影します。①は触覚、⑤は眼、⑫は前足にピントが合っている状態です。これらの12枚の写真のピントが合っているところだけをこのアプリで合成したのが一番上の写真です。もっと細かくピントをずらして撮影すると、よりきれいな画像を得ることができます。
顕微鏡やマクロレンズで撮影した写真は、ピントの合う範囲(被写界深度)が非常に狭く、焦点深度合成 EDF(Extended Depth of Focus)はとても有効です。

カミキリムシ

【EDF 作成方法】

1.まず、アプリに合成する元の画像を読み込みます。そして、プロセス>EDF拡張被写界深度合成 を選択します。

スライド2

 

2.合成条件などを、画面に従って入力していきます。
スライド3

3.しばらくすると合成結果が画面に表示されます。

スライド4

以上でEDF 深度合成画像の完成です。
このような非常に簡単な操作でEDF画像を作成することができます。

 

 

眼の中のもやもや(飛蚊症)について

顕微鏡を覗くと、眼の中にもやもやしたものが飛び回り、眼をきょろきょろさせると目を動かした方向に飛び回り、とても気になることがあります。「なんだろう?」と思っている人も多いのではないでしょうか。これは「飛蚊症(ひぶんしょう)」といって、眼の中のゴミなどが見えている現象のようです。

飛蚊症(ひぶんしょう)は、人間の眼球内の原因により視覚に発生する現象で、視界内に小さな薄い影(糸くずや蚊のようにも見える)のようなものが現れる。網膜上では特定の位置に影は存在しているが、眼球の運動による視界の移動により、この影は相対的に動き回っているように当人には感じられる。眼科分野では遭遇する頻度の高い症状で、疾患の場合もある。(→Wikipadia「飛蚊症」

特に高倍率で観察しているときによく見えます。目の老化が進んだ大人のほうが多く見えますが、子供でも見えます。詳しくは上記のWikipedia「飛蚊症」のページなどを読んでいただいたほうがよいと思います。網膜剥離などの病気の兆候でもあるようですが、ほとんどの場合には単に生理現象ですので心配はいりません。

顕微鏡だけでなく、望遠鏡などでも同じ現象に悩まされます。こちらのページ(http://alpo-j.asahikawa-med.ac.jp/publications/TGS/2004-10.htm)に、飛蚊症の記事があり、飛蚊症をスケッチした面白い画像がありましたのでご紹介します。これは、天体望遠鏡で火星を観察中に見えた飛蚊症を火星と一緒にスケッチしたものと思われます。

観測を妨げる症状

きれいな惑星面を肉眼で見たいと思う気持ちは、誰でもが持つ共通の思いです。しかし、実際にはなかなか思うようにならないものです。気流や望遠鏡ではなく、意外に気付かないのが自分の眼です。近視や遠視は全然問題になりませんが、厄介なものがいくつかあります。まずは「乱視」です。水晶体の歪みだったり角膜の不均一で起こります。水晶体の場合はめがねで補正できるものもありますが、コンタクトレンズでかなり補正できます。眼科で詳しく診てもらいましょう。

次に、生理的飛蚊症(ひぶんしょう)。望遠鏡や顕微鏡を高倍率で使用すると見えるものです(図)。年令と共に増加しますが、疲れている時にも増加します。観測日数が重なり疲れてくると、観測に大きな支障が出るくらい見えてきます。大きな塊は眼をくるくる回すと、しばらくの間、違ったところに移動しますが、すぐに元に戻ってきて再び見えなくしてしまいます。これをさけるには双眼アイピースを使用するのが効果的です。まずは疲れないようにすることが先決かもしれません。

最後に、眼の感色性が個人によって違います。赤に強い人や、青に強い人など個人差があります。これは人の見え方と比べないと見つかりません。自分の眼の特徴をしっかり把握することが惑星観測の第一歩かもしれません。0410-Fig03-Salon

 

引用元 http://alpo-j.asahikawa-med.ac.jp/publications/TGS/2004-10.htm

顕微鏡写真を撮ろう

顕微鏡観察に慣れてきたら、今見ているものを写真に撮って残したいという気持ちになってきます。最近ではデジカメが普及し以前に比べるととても簡単に顕微鏡写真をとることが出来るようになりました。ここでは、顕微鏡写真の取り方について少し紹介したいと思います。なお、綺麗に写真を撮るためには、写真撮影技術そのものも大切なのですが、別の記事で説明したようなコンデンサの使い方や照明(ライティング)の技術が大切になってきます。また、観察するサンプルそのものの作り方なども大切ですのでこれらの点にも留意して撮影してみてください。

1.スマホやコンパクトカメラを使った撮影法(コリメート法)FJGH61Q23PEP2824VY_MEDIUM
一番手っ取り早いのが「コリメート法」と呼ばれる方法です。これは、接眼レンズを覗く位置にカメラのレンズを持ってきて撮影する方法です(右の写真を参照:出典 http://www.instructables.com/id/Take-digital-photos-through-a-microscope-without-a/)。スマホのカメラでも簡単に写すことが可能です。カメラさえあればすぐにでもできる簡単な方法ですが、以下のような点に注意すれば非常にきれいな写真を得ることが出来ます。

①カメラと顕微鏡の光軸を一致させる。
要するに、顕微鏡とカメラをまっすぐにしましょうということです。カメラが傾いていたりすると綺麗に撮れません。接眼レンズのアイカップ(ラバーカップ)は取り外しておきます。

②カメラと接眼レンズの隙間から余分な光が入らないよう気を付ける。
余分な光が入ると綺麗に撮れませんので注意が必要です。黒い布などを巻き付ける等して余分な光をさえぎります。コリメート

③手ぶれに注意。
顕微鏡の視野は暗いことが多いので、カメラシャッタースピードが長くなりがちです。手持ちの場合には手ぶれが起こりますので注意してください。下の写真のような市販の簡易なカメラアダプタ―を使えば手ぶれの無い写真をとることができます。

【スマホ用 顕微鏡カメラ取付具の例】
スマホアダプタ

 

 

 

※ 参考となるホームページ
・香川県教育センター 「携帯電話のカメラで顕微鏡写真を簡単に撮る方法」
http://www.kec.kagawa-edu.jp/curriculum/houkoku/kojin/h19/2007_001-001.pdf

 

2.一眼レフカメラを使った撮影法(カメラアダプタ―を使う方法)
一眼レフカメラをお持ちでしたら、カメラアダプタ―を使用した写真撮影を行うことが出来ます。カメラをしっかりと固定・装着できますので、撮影の成功の可能性がぐんと上がります。動画を撮影する場合にもカメラが固定されているのできれいに撮影することが可能です。また、スマホなどのカメラに比べると一眼レフカメラの本質的な性能は格段に良いので、それだけ良い写真が撮れます。但し、一眼レフでも上記のコリメート法により撮影が可能ですが、カメラ本体やカメラのレンズ自体が大きいことから、上記の①②③のセッティングが困難となります。一眼レフでコリメート撮影がきれいにできると、カメラアダプタ―を使った方法よりもきれいに撮影できる場合もあります。

まず、お使いのカメラに適合するカメラアダプタ―が別途必要になります。誠報堂科学館では、Nikon用、Canon用、Olympus用の各カメラアダプタ―を販売しています。(→顕微鏡アクセサリをご覧ください)

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※ 上の写真の右側のカメラを取り付けた写真は「3眼タイプ」の顕微鏡に取付けた例です。3眼タイプの顕微鏡でなくても、接眼レンズを取外してカメラアダプタを設置することが出来ます。

撮影方法ですが、顕微鏡本体の合焦ハンドルを回してピントを合わせます。このとき、接眼レンズから見た場合と視野の広さやピントの位置が異なりますので、カメラのファインダーを覗いてピント合わせを行います。最近のカメラは外部モニターにリアルタイムで出力が可能だと思いますので、パソコンのモニターのような外部のモニターに接続して、大きい画面でピンと合わせを行うのが良いと思います。露出などはカメラ任せ(オート)にするか、マニュアルで操作します。シャッターを押す際、手ぶれが発生しますので、レリーズを使って下さい。最近のカメラはリモコンシャッター機能などもありますので、それでもOKです。レリーズ等がない場合には、カメラのセルフタイマー機能を使って、シャッターボタンを押してしばらくしてからシャッターが切れるようにして撮影します。十分視野が明るいときは、ダイレクトにシャッターボタンを押してもぶれずに撮影できる場合もありますので、色々試してみてください。

 

3.顕微鏡用カメラを使った撮影
顕微鏡専用のカメラを使った方法です。誠報堂科学館でも販売していますのでご覧ください。(→顕微鏡アクセサリ

この方法は、顕微鏡カメラとパソコンをUSBで接続し、パソコン側で操作をして撮影します。静止画と動画の両方を撮影することが出来ます。撮影後は画像処理や大きさの測定なども簡単にできとても便利です。
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簡単ですが、顕微鏡写真の撮影方法についてご紹介させて頂きました。

 

 

 

 

顕微鏡のメーカーについて

顕微鏡のメーカー(当店で扱っているような、生物顕微鏡や実体顕微鏡を作製するメーカー)についてまとめてみました。

1.世界4大メーカー
まずは世界中で有名な顕微鏡の4大メーカーです。顕微鏡だけでなく、ざまざまな光学機器、その他を製造しています。これらの企業の顕微鏡は高価ですが、最高の性能と信頼性を持っています。主には大学や企業の研究用途に使われています。ただし、一般向け(学習用)の高級品も製作しており、小学校、中学校、高校の理科室などにも導入されています。

olympus オリンパスオリンパス
日本で最初に顕微鏡を作った会社であり、現在もトップメーカーです。

nikonニコン
オリンパスと並ぶ日本の光学機器メーカーです。

leicaライカ
ドイツの光学機器メーカーです。

zeissカール・ツァイス
こちらもドイツのメーカーです。

 

2.その他のメーカー(国内)
 4大メーカー以外の、その他の顕微鏡メーカー(国内)をご紹介します。

meijitechnoメイジテクノ
高性能の顕微鏡を自社生産しており、信頼のできる顕微鏡専門のメーカーです。近年ではメイジテクノブランドは世界的にも認められています。

logo八洲光学工業
昭和10年創業の古い光学機器メーカーです。学習用顕微鏡のラインアップは少ないですが、性能・実用性の高い製品を販売しています。

wraymer1WRAYMER(レイマー)
新進気鋭の顕微鏡メーカーです。扱っている顕微鏡は高品質でラインアップが非常に豊富です。ホームページを拝見すると大学、専門学校、高校、中学校、小学校など学校関係や、独立行政法人等、官庁関係への実績も多そうです。

vixenビクセン
会社名を知っている方も多いと思います。技術力の高い会社です。筆者も子供のころはビクセンの顕微鏡の愛用者でした。学習用から研究用まで幅広い製品群を誇ります。

mlogo06カートン光学
こちらも子供のころに愛用されていた方が多いのではないでしょうか? 昭和5年創業の老舗光学機器メーカーです。

 

3.その他のメーカー(海外)
海外の顕微鏡メーカーをご紹介します。

amscopeAmScope
当店で主に販売している顕微鏡のメーカーです。顕微鏡の専門家が1996年に設立した顕微鏡の専門メーカーです。世界4大メーカーの製品の製造もおこなっている中国のISO認証取得工場の同じラインで生産している規格製品を自社ブランドとして展開しており、驚くべきコストパフォーマンスで高性能・高品質の顕微鏡を提供しています。日本ではノーブランド扱いですが、アメリカでは大学をはじめとして、学校や研究機関に多く採用されているようです。

omanoOMANO
こちらも、顕微鏡専門商社のプライベートブランドです。AmScopeと同様に高性能・高品質な顕微鏡を低価格で提供しています。当店でも一部商品を取り扱っています。

 

 

顕微鏡の倍率

顕微鏡を購入する際、気になるのが「倍率」ではないかと思います。

顕微鏡の倍率は、以下の式で求めることが出来ます。
【 顕微鏡の倍率 = 対物レンズの倍率 × 接眼レンズの倍率 】
つまり、40倍の対物レンズと10倍の接眼レンズを使った場合、その状態の倍率は、400倍ということになります。

何かを観察する際、倍率は大切なのですが、観察するものによって適正な倍率は違います。高性能で高価な顕微鏡は倍率を高くできるものが多いのですが、倍率が高いこと自体が高性能であることを示すわけではありません。むしろ、倍率自体は性能と関係がありません。

生物顕微鏡の場合、実際に池の中にいるプランクトンを観察することを例にとると、一般的には、数10倍~400倍程度までしか使わないでしょう。小学校や中学校の理科の時間で学習するようなものはほとんどが上記のような倍率が得られる顕微鏡があれば十分です。但し、よく見える顕微鏡では、レンズや、ピント合わせをする装置や、光を当てる装置が高品質にできています。逆に、同じ倍率でも、これらがお粗末ですとろくに見ることが出来ません。たとえばレンズの性能が悪い顕微鏡でしたら、レンズの性能の悪さも拡大されますので倍率を上げれば上げるほど見えなくなります。もし安い(1万円ほどの)顕微鏡で1000倍を超える倍率が出せるものがあったとしたら、そのような顕微鏡は買わないほうがいいです。逆に、性能・品質の良い顕微鏡では高倍率でもきれいな像が見えます。但し、先に説明しましたように、小学校、中学校の理科の時間に出てくるような範囲の観察では、たいして高倍率を使うことがありません。1000倍を超える高倍率の顕微鏡では細胞の細かい構造などを観察するときなどに使われますが、それ以上倍率を高くしても大きく見えるだけで得られる情報はあまり変わりません。1000倍~2000倍が光学顕微鏡の限界となります。

実体顕微鏡の場合は、観察する対象がもっと大きいため、倍率は数倍~数10倍までです。実体顕微鏡は虫眼鏡の高性能版といった顕微鏡ですが、昆虫や植物、電子回路や時計の中身などの細かい構造物を観察するには最適です。

 

知育玩具・教育玩具としての顕微鏡

誠報堂科学館で販売する顕微鏡は、実用性が高く一生でも使っていただけるようなものですので、決して「玩具(おもちゃ)」ではありませんが、子どもが一緒に多くの時間を過ごし、楽しめるものという観点からは「玩具」であり、理科教育の側面があり、自然に興味をもって観察力や探究心を培うことができるという観点からは「知育玩具」と言えるでしょう。

良い顕微鏡を子どもに与えてやることの意義について列挙してみました。

1.自然や生物に関する興味と探求心を持つことが出来ます!
目に見える世界とは全く異なる世界が顕微鏡の中には広がっています。人間は地球上で重力に支配された生活を送っていますが、たとえば小さな昆虫は天井を平気で歩けるように、小さな世界では重力よりも別の力(表面張力、摩擦力、静電引力など)が大きな影響力を持っています。そのため、小さな生き物などは私たちの常識を超えた構造や造形をしており、驚くべき能力を持っています。小さなものを観察することは、私たちの常識を超える様々なヒントを与えてくれます。

2.精密機械に接することで機械的な興味と価値を肌で感じることが出来ます!
良い顕微鏡はとても精度の高い精密機械です。ピントを合わせるための合焦装置やメカニカルステージは微動装置がついており、ミクロン単位で顕微鏡本体を上下したり、スライドガラス(試料)を前後左右に動かすことが出来ます。また、対物レンズを入れ替えるレボルバーは、回して対物レンズを入れ替えてもピントが合うような作りになっています。ずっしりと重い顕微鏡がこのように繊細に動くさまは本当に心地よく、機械の正確さ、精密さを肌で感じさせてくれます。

3.レンズと光の関係について興味を持つことが出来ます!
ごくごく小さなものが、接眼レンズをのぞくと視野いっぱいに拡大されて見えることの不思議な感覚は、レンズと光に対する興味を持たせてくれます。レンズを組み合わせて拡大して見る顕微鏡の原理に興味を持つと、レンズの収差やそれを抑えるためのレンズの設計や種類、光の当て方や光を制御するためのコンデンサの効果などと興味はどんどん広がっていくでしょう。これらの理解が深まれば、より一層、顕微鏡をうまく使いこなすことが出来、よりよい観察ができるようになります。

4.理科の時間では必ずヒーローになれます!
顕微鏡の使い方や観察に慣れ親しんでいると、理科の時間が楽しくてたまらなくなります。

5.生命の大切さを学べます!
生物を観察するとき、どうしても小さな生き物の命をうばってしまうことが多々あります。また、日ごろ全く気にしない池の水を見たときにも多くの生き物が「生きている」ことを目の当たりにさせられます。一生懸命生きていることが直にわかり、しかし、一瞬で死んでしまうことも同時に目の当たりにします。顕微鏡は、命についての何かを教えてくれる気がします。

6.デジタル機器にも強くなります!
顕微鏡で観察(鑑賞)していると、「顕微鏡で見える世界を写真に記録したい」という欲求がわいてきます。最近では顕微鏡用のデジタルカメラをパソコンに接続して簡単に写真や動画を撮影することが出来るようになりました。より簡単には、スマホのカメラを用いて顕微鏡の接眼レンズごしに写真をとることもできます。ピントをずらしながら撮影し、パソコン上でピントの合ったところだけを合成して画面全体がピントの合った写真を作ることもできます。顕微鏡の映像をテレビに大写しにすることも今の時代は簡単ですね。デジタル機器を使いこなせばいろんなことが出来るようになります。

ざっとこんなところでしょうか・・・。

 

顕微鏡用フィルタについて

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誠報堂科学館で販売する顕微鏡(生物顕微鏡)には、カラーフィルタが付属しているものがあります(B100シリーズ、B400シリーズ)。 青色、緑色の2種類のフィルターが付属しています。これらのフィルターの効果について説明します。

【ブルーフィルター】
B100シリーズ、B400シリーズの顕微鏡には、タングステンランプ、或いは、ハロゲンランプが照明として使われています。これらのランプは温かみのある色彩(電球色=やや赤みのある色)をしており、そのままでも勿論観察はできるのですが、「ブルーフィルター」を使うことで、「昼光色」となり自然な白い光で観察することができます。

【グリーンフィルター】
グリーンフィルターは、コントラストフィルターとも呼ばれ、顕微鏡の視野のコントラストを向上させる効果があります。肉眼での観察では視野全体が緑色になるため見にくく感じますが、白黒写真などを撮影すると効果があります。顕微鏡の光学系は光の波長のうち緑色の波長で最も性能が高くなるよう設計されており、緑色のフィルターにより球面収差や色収差などの諸収差の影響を最小化することができるのです。

 

顕微鏡の「コンデンサ」とは?

コンデンサ生物顕微鏡に使われる「コンデンサ」という部品、照明装置からの光を集めて対物レンズに送る役割をするものですが、これが初心者にはなかなか難しい装置です。コンデンサが使えるようになったら、なんとか一人前の観察者といえるのではないでしょうか。
コンデンサの構造や詳しい使い方は、別のサイトで詳しく説明されているので、そちらをご覧いただくのが良いかと思います。ここでは、コンデンサを適切に使うことの大切さだけお伝えしたいと思います。

コンデンサが上手く調節できているかどうかで、顕微鏡の見え方が大きく変わります。ただ明るくするだけではよく見えなかったものが、コンデンサや絞りの状態を適切に調整することで、観察できるようになったりします。以下のサイトには、コンデンサの構造や調節の仕方が詳しく書いてありますので、是非、お読みになって、上手にコンデンサの調節を行って下さい。

【コンデンサについての詳しい説明はこちらのサイトをご覧ください】
1)OLYMPUS バイオイメージング のページ
【第4回】その機能使っていますか~光軸と光の調整~
【第4回】その機能使っていますか~光軸と光の調整~(2ページ目)
【第9回】顕微鏡の構成と仕様~照明系~
【第9回】顕微鏡の構成と仕様~照明系~(2ページ目)

2)日本顕微鏡工学会のページ
2.顕微鏡の光学系  2.7 コンデンサレンズ

 

実体顕微鏡の各部の説明

生物顕微鏡の各部の名称や操作方法の説明します。プレゼンテーション1

◆接眼レンズ(アイピース)
顕微鏡の上部にあり 眼でのぞくためのレンズを接眼レンズといいます。上の写真のような双眼式の顕微鏡の場合、同じ接眼レンズを2つ用います。接眼レンズの種類には、次のようなものがあります。
・広視野タイプ(Wide Field)・・・「WF」と表記されます。
・超広視野タイプ(Super Wide Field)・・・「SWF」と表記されます。
また、接眼レンズの重要な特性として、倍率があります。 10X(10倍)、20X(20倍)のように表記されます。

◆視度調節環
ここを回転させることで、左右の眼の視力が異なる方でも、両目できっちりピントを合わせることができます。

◆眼幅調節部
観察者の両目の幅に合わせて接眼レンズの位置を調節できます。

 

◆照明装置
実体顕微鏡の種類にもよりますが、この写真ではリング状の照明装置が付属しています。試料に影などができにくく観察しやすいタイプの照明装置です。リング状の照明装置のほかに、より簡易な照明装置もあります。また、自由な方向から光をあてられるフレキシブルスポットライトなどもあります。
照明◆試料台
観察する試料を乗せる台です。機種によっては、ここに下から光を照射し、透過光で観察できるタイプのものもあります。

◆支柱
顕微鏡本体を固定するための支柱です。観察する試料によって顕微鏡本体の固定位置を変えて使用します。

◆ズームハンドル
ズーム式の対物レンズを備えている機種では、このズームハンドルを操作することで倍率を無段階で変えながら観察することが出来ます。

◆合焦装置
このハンドルを回すことでピントを合わせることが出来ます。

 

 

 

生物顕微鏡の各部の説明

生物顕微鏡の各部の名称や操作方法の説明をします。

compoundmicroscope◆接眼レンズ(アイピース)
顕微鏡の上部にあり 眼でのぞくためのレンズを接眼レンズといいます。上の写真のような双眼式の顕微鏡の場合、同じ接眼レンズを2つ用います。接眼レンズの種類には、次のようなものがあります。
・広視野タイプ(Wide Field)・・・「WF」と表記されます。
・超広視野タイプ(Super Wide Field)・・・「SWF」と表記されます。
また、接眼レンズの重要な特性として、倍率があります。 10X(10倍)、20X(20倍)のように表記されます。

microscope_eyepiece_ep10x23

「WF10X」と表記された接眼レンズは、「広視野タイプ、10倍」の接眼レンズであることを示します。一般的な高性能接眼レンズです。誠報堂科学館が販売する顕微鏡の多くは、このWFタイプの接眼レンズを使用しています。

 

 

 

microscope_eyepiece_ep10x30e

こちらの接眼レンズは、もうちょっと高級なもので、「WF10X/22」そしてその横に眼鏡のマークが刻印されています。この意味は、「広視野タイプ10倍の接眼レンズで、視野数22mmのレンズ。アイポイントが長く眼鏡でをかけていても観察しやすいレンズ。」であることを示します。視野数の数字が大きいほどより広い範囲を観察できるのですが、詳しくはこちら(日本顕微鏡工業会のページ)のホームページをご参照ください。

 

 

◆視度調節環
ここを回転させることで、左右の眼の視力が異なる方でも、両目できっちりピントを合わせることができます。

◆ヘッド部
プリズムが格納されており、対物レンズからの光を左右2つに分割するとともに45度の角度に傾けて、接眼レンズに導きます。このヘッド部は360度回転して好きな方向から観察することができます。また、2つの接眼部の間隔は、スライド式で観察者の眼幅に合わせることが出来ます。

◆レボルバー
対物レンズを保持する回転式の治具です。観察の際、このレボルバーを回すと、対物レンズを切り替えることが出来ます。

◆対物レンズ
objective顕微鏡の性能を決めるともいえる重要な部品が対物レンズです。レボルバーにねじ込んで装着して使います。対物レンズには多くの特性があります。

・種類:
左の写真でPlanと表記されているのが対物レンズの種類を表します。対物レンズには次のような種類があります。
Achまたは無記載(アクロマート)一般的な対物レンズです。色収差をはじめ各収差を補正した高性能レンズです。
Plan(プラン・アクロマート)高級対物レンズです。各収差をアクロマートよりも高度に補正しています。
PlamFl(プラン・フルオリート)さらに高級な対物レンズです。Planよりも高性能です。
PlanApo(プラン・アポクロマート)最も優れた対物レンズです。
一般的には、アクロマートまたはPlanが使われます。PlanFl,PlanApoは大学や研究機関で使われる高級品です。
なお、低価格な顕微鏡には、色収差補正のされていない対物レンズが使用されている場合があります。収差の影響は高倍率ほど大きいのですが、このようなレンズは低倍率であっても観察するに堪えないものになってしまいます。顕微鏡をお求めになる際は、対物レンズは是非ともアクロマート以上のものをお選びになることをお勧めします。(当店で販売している顕微鏡はすべてアクロマート以上の対物レンズを使用しています。)

・倍率:
対物レンズにも、接眼レンズと同様に「40X」(40倍)のような表記がされています。 通常使われるのは、4X~100X程度です。倍率に応じてカラーリング表示されています。
接眼レンズと組み合わせて顕微鏡としての倍率が決まります。
例えば、対物レンズが40倍で、接眼レンズが10倍のとき、その顕微鏡の倍率は、40倍X10倍=400倍 ということになります。

・開口数:
こちらも重要な特性で、レンズの明るさ、分解能の指標となります。数字が大きいのもが、視野が明るく、細かいものまできれいに見えることを示します。対物レンズへの表記は、「倍率/開口数」、具体的には、「60X / 1.35」のように刻印されており、この対物レンズは「60倍/開口数1.35」であることを示しています。

・機械的鏡筒長:
対物レンズと接眼レンズの間隔を「機械的鏡筒長」といい、160㎜が標準です。

・カバーグラス厚み:
使用するカバーグラスの厚みを示します。通常は0.17(標本用)が使われています。

・液浸:
液浸タイプの対物レンズであることを示します。カラーリング表示により使用する液のタイプ(上の写真は oilを使用)を示しています。

※対物レンズに関する詳しい説明は、こちらのサイト(日本顕微鏡工業会のページ)をご参照ください。

◆メカニカルステージ
メカニカルステージは、観察する試料をのせたスライドグラスを、XY方向に精密に動かすための微動装置です。特に高倍率での観察には必須ともいえるものです。

◆コンデンサ・絞り
コンデンサは、照明の光を試料に導くためのレンズです。コンデンサの種類や絞りの調整により、顕微鏡を通じた試料の見え方は大きく変わります。コンデンサの使い方は別途解説する予定です。

◆合焦装置(粗銅・微動)
顕微鏡の左右にある合焦ノブを回すことでピントを合わせます。顕微鏡のピントの合う範囲は狭いので、微動装置があればグッとピント合わせが楽になり、観察しやすくなります。

◆照明装置
顕微鏡の下から観察試料に照射する光源です。タングステンランプ(白熱灯)、ハロゲンランプ、蛍光灯、LEDなどが光源として用いられます。

顕微鏡の種類 ~生物顕微鏡と実体顕微鏡~

誠報堂科学館では、大きく分けて、「生物顕微鏡」と、「実体顕微鏡」の2種類を販売しています。今回は、生物顕微鏡と実体顕微鏡の違いについて説明します。

この2つは、いずれも「光学顕微鏡」の部類であり、いずれも観察対象を対物レンズと接眼レンズで拡大して観察する顕微鏡です。簡単に違いを説明すると、生物顕微鏡は、いわゆる普通の「顕微鏡」であり、小中学校の理科の時間に、プランクトン、植物や動物の細胞などを観察した顕微鏡です。一方、実体顕微鏡は、超高性能な虫眼鏡といった感じで、比較的低倍率で対象物を両目で立体視できる顕微鏡です。それぞれの顕微鏡の特徴に応じて使い分けられています。

それでは、それぞれの顕微鏡の説明をしましょう。


1.生物顕微鏡

「顕微鏡」といえば、一般的には「生物顕微鏡(Compound Microscope)」のことを言い、代表的な光学顕微鏡です。 後に説明する「実体顕微鏡」も光学顕微鏡の一種です。
単眼式生物顕微鏡双眼識生物顕微鏡

代表的な生物顕微鏡の写真を示します。左のものは「単眼式」右のものは「双眼式」の生物顕微鏡です。私が学校の理科の時間で使ったのは単眼式の顕微鏡でした。最も一般的な顕微鏡です。

一方、双眼式の顕微鏡は大学や研究機関などでは標準的な顕微鏡です。単眼式のものに比べ、両目で見るために、見やすく長時間の観察にも疲れません。また、”感覚的”にですが、観察する試料を立体感をもって観察することができます。このような利点が多くありますので、初心者の方にも(むしろ初心者の方に)お勧めします。双眼式顕微鏡で気になる点は、顕微鏡の重量が重くなること、両目のピントをちゃんと合わせないとかえって疲れること、単眼式のものに比べて価格が高いことでしょう。(※誠報堂では、双眼式の顕微鏡でもリーズナブルな価格で高性能な機器をご提供しています。)

生物顕微鏡で観察できる試料は、光を透過できる試料です。このタイプの顕微鏡は、下から光源を当てて試料を通過した光を対物レンズで集光して観察します。逆に言うと、光を通さないものは観察できません(シルエットしか観察できません)。したがって、観察できる試料は「薄い」ものである必要があります。プランクトンなどのもともと微小なものはそのまま観察できますが、植物の葉や茎などは薄く切った切片や、表面の膜をはがしてその膜を観察するなどします。倍率にして、数10倍から2000倍程度で観察します。また、生物顕微鏡の視野は、上下左右が逆になっています。

以下に生物顕微鏡で観察したいくつかの写真を示します。

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これらの写真の試料は植物の細胞や昆虫の器官ですが、このようなイメージで観察することが出来ます。(図の場合、染色等を行っています)

 


2.実体顕微鏡

次に「実体顕微鏡(Stereo Microscope)」について説明します。実体顕微鏡は、観察物を、人間の2つの目で立体的にとらえることが出来る点が生物顕微鏡と異なる点です。生物顕微鏡も双眼式のものがありますが、これは、1つの視界の光路を2つに分けただけのもので、立体的には見えません。これに対し、実体顕微鏡では、左右の眼が別々の視界を持つため、肉眼で見ているのと同じく、立体視できるようになります。倍率は比較的低倍率(数10倍程度)で、試料をそのままの状態で観察します。生物顕微鏡は下側から光を当てて、観察する試料を光を透過させて観察しますが、実体顕微鏡では、上から(見る方向から)光を当てて試料に反射した光を観察します。この点も肉眼で普通に見ている状態と同じです。もっと簡単に言うと、両眼に超高性能な虫眼鏡をつけたような状態で観察します。また、実体顕微鏡で観察される視野は、上下左右が目で見た通りに観察できます。

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上の画像は、実体顕微鏡の外観写真と、観察例の写真(蝶の卵と、電子回路)です。このようなイメージで観察することが出来ます。