顕微鏡の種類 ~生物顕微鏡と実体顕微鏡~

誠報堂科学館では、大きく分けて、「生物顕微鏡」と、「実体顕微鏡」の2種類を販売しています。今回は、生物顕微鏡と実体顕微鏡の違いについて説明します。

この2つは、いずれも「光学顕微鏡」の部類であり、いずれも観察対象を対物レンズと接眼レンズで拡大して観察する顕微鏡です。簡単に違いを説明すると、生物顕微鏡は、いわゆる普通の「顕微鏡」であり、小中学校の理科の時間に、プランクトン、植物や動物の細胞などを観察した顕微鏡です。一方、実体顕微鏡は、超高性能な虫眼鏡といった感じで、比較的低倍率で対象物を両目で立体視できる顕微鏡です。それぞれの顕微鏡の特徴に応じて使い分けられています。

それでは、それぞれの顕微鏡の説明をしましょう。


1.生物顕微鏡

「顕微鏡」といえば、一般的には「生物顕微鏡(Compound Microscope)」のことを言い、代表的な光学顕微鏡です。 後に説明する「実体顕微鏡」も光学顕微鏡の一種です。
単眼式生物顕微鏡双眼識生物顕微鏡

代表的な生物顕微鏡の写真を示します。左のものは「単眼式」右のものは「双眼式」の生物顕微鏡です。私が学校の理科の時間で使ったのは単眼式の顕微鏡でした。最も一般的な顕微鏡です。

一方、双眼式の顕微鏡は大学や研究機関などでは標準的な顕微鏡です。単眼式のものに比べ、両目で見るために、見やすく長時間の観察にも疲れません。また、”感覚的”にですが、観察する試料を立体感をもって観察することができます。このような利点が多くありますので、初心者の方にも(むしろ初心者の方に)お勧めします。双眼式顕微鏡で気になる点は、顕微鏡の重量が重くなること、両目のピントをちゃんと合わせないとかえって疲れること、単眼式のものに比べて価格が高いことでしょう。(※誠報堂では、双眼式の顕微鏡でもリーズナブルな価格で高性能な機器をご提供しています。)

生物顕微鏡で観察できる試料は、光を透過できる試料です。このタイプの顕微鏡は、下から光源を当てて試料を通過した光を対物レンズで集光して観察します。逆に言うと、光を通さないものは観察できません(シルエットしか観察できません)。したがって、観察できる試料は「薄い」ものである必要があります。プランクトンなどのもともと微小なものはそのまま観察できますが、植物の葉や茎などは薄く切った切片や、表面の膜をはがしてその膜を観察するなどします。倍率にして、数10倍から2000倍程度で観察します。また、生物顕微鏡の視野は、上下左右が逆になっています。

以下に生物顕微鏡で観察したいくつかの写真を示します。

sample1  z-ascarls-microscope_1_7_2  sample2

これらの写真の試料は植物の細胞や昆虫の器官ですが、このようなイメージで観察することが出来ます。(図の場合、染色等を行っています)

 


2.実体顕微鏡

次に「実体顕微鏡(Stereo Microscope)」について説明します。実体顕微鏡は、観察物を、人間の2つの目で立体的にとらえることが出来る点が生物顕微鏡と異なる点です。生物顕微鏡も双眼式のものがありますが、これは、1つの視界の光路を2つに分けただけのもので、立体的には見えません。これに対し、実体顕微鏡では、左右の眼が別々の視界を持つため、肉眼で見ているのと同じく、立体視できるようになります。倍率は比較的低倍率(数10倍程度)で、試料をそのままの状態で観察します。生物顕微鏡は下側から光を当てて、観察する試料を光を透過させて観察しますが、実体顕微鏡では、上から(見る方向から)光を当てて試料に反射した光を観察します。この点も肉眼で普通に見ている状態と同じです。もっと簡単に言うと、両眼に超高性能な虫眼鏡をつけたような状態で観察します。また、実体顕微鏡で観察される視野は、上下左右が目で見た通りに観察できます。

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上の画像は、実体顕微鏡の外観写真と、観察例の写真(蝶の卵と、電子回路)です。このようなイメージで観察することが出来ます。